facebook page

全国各地の商店街のニュースをお届けします! 商店街ニュース

<空き店舗>駅前の空きビル、まるごと再生!すべての人が集える場作り【愛知県名古屋市・笠寺観音商店街】 地域資源 地域振興 空店舗活用

2019年06月11日 (火曜日) 11:00

印刷 メール

名古屋市の南部、笠寺観音の門前町に位置する笠寺観音商店街にこの5月、空きビルを活用したシェアキッチンがオープンした。

3階建てビルの半地下部分を覗くと、外観を白いタイルで覆われた「かさでらのまち食堂」が姿を現す。
食堂を切り盛りするのは10人の日替わりシェフ。オープンは11時~14時までで、日によって夜の営業もある。シェフを務めるのは、開業を控えた男性、将来店を持ちたいと願う若者、主婦など様々で、ラーメンやベトナム料理、コーヒーにレバノン料理など、毎日違った料理と店の雰囲気が味わえる。
この食堂の運営は、商店街関係者を含む有志5人による「かさでらのまち運営委員会」が担っており、夢を持った人を応援したいという思いから、店の設備は運営側が負担。シェフは食材など最低限揃えるだけでよく、出店準備にかかる負担が格段に軽減されることから、参加したシェフからは、「一人での出店も挑戦しやすく、この場を提供してもらえてよかった」との声が上がっている。

元々、食堂が入る「かさでらのまちビル」ではスナックやバーが営業していたが、店主の高齢化などで閉店が相次ぎ、昨年の秋にはテナントがゼロに。商店街全体を見ても廃業する店は後を絶たず、駅からほど近く街の顔でもある同ビルの空洞化は、商店街存続への危機感をさらに強めるものとなった。そんな折、市が空き店舗リノベーション事業として「商店街商業機能再生モデル事業」をスタートさせ、応募3枠の中、この「かさでらのまちビルの再生プロジェクト」が選ばれた。

「この時具体的なプランはなく、仲間に声をかけながらみんなで議論を重ねていく中で、プロジェクトの形が決まっていきました。まずは、『かさでらのまち食堂』で成功例を示し、笠寺でもやればできるということが証明できれば、これに続く第2弾の事業も誘致しやすくなるだろうと考えています」と、運営委員会のメンバーの1人で商店街組合の理事でもある青山知弘さん。
そう、実はこのプロジェクトにはまだ続きがある。プロジェクトの第2弾では、ビルの1・2階部分で民泊事業をスタートさせる予定で、さらに、以前から屋上で行われている養蜂を活かし、収穫したハチミツを使ったスイーツ作り・レンタルキッチン「はにーずキッチンラボ」を3階で運営していく考えだ。

ここまで好調な滑り出しに見える同プロジェクトだが、実は重大な問題を抱えている。撤去工事の際に次々と欠陥が見つかり、当初予定していた金額を大幅に超え資金難に。そこで、クラウドファンディングで資金を募るも、希望額には到底及ばない結果となった。
「集まらなかった資金については、現在、国の助成事業に応募中でその結果待ちです。現在稼働している食堂に関しては、今はマスコミに取り上げられたり物珍しさもあって多くのお客さんが来てくれている状況ですが、この開店ブームが過ぎた後、地域の人たちに愛される食堂となれるようこれからが本番です」と、困難に屈せず先を見据える青山さん。

「かさでらのまちビル」再生のテーマは、『集いの場』。これを象徴するこだわりのポイントが、食堂の真ん中に置かれた1枚の大きなテーブルだ。シェフとお客さん、お客さん同士がひとつの家族のようになって食事ができることを狙ったデザインとなっている。
お年寄りが多いこの街で孤独な人を作らない、民泊に宿泊する世界中の人たちにふるさとのように感じてもらいたい-そんな思いが詰まった1枚のテーブルが、シェフと共に今日も訪れる人を迎えている。

関連リンク

関連した取組み▶▶▶空き店舗(ビル)活用で創業促進 商店街の新たな魅力づくりのポイント
商店街ニュースの一覧へ