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通訳者と商店をマッチング—函館朝市の新しいインバウンド対策【北海道函館市・函館朝市協同組合連合会】 販売促進 個店活性 人材育成 その他

2018年08月15日 (水曜日) 16:00

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店先で英語を使って接客をサポートする学生たち

外国人観光客が多く訪れる北海道の函館朝市では、この夏、地元の高校生・大学生を対象に、朝市での業務を補助する通訳OJTボランティア体験会を開催した。OJTとは、On-the-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略で、職場で実務を通じた職業教育のこと。7月25日から8月5日までに計8回実施されたボランティア体験会には、30名を超える高学生・大学生が参加し、店主たちの接客を手伝いながら外国人との交流を楽しんだ。

函館朝市協同組合連合会が、年々増加している外国人観光客への本格的な対策に乗り出したのは、約2年前のこと。「総合インフォメーションカウンター」を開設し、英語を話せるスタッフを常駐させ、案内や免税の対応、海外宅配サービスの受付け業務を開始した。しかし、当初の予想に反して窓口へと足を運ぶ外国人観光客は少なく、スタッフは余った時間を利用して市場内を巡回することに。すると、店先で外国人観光客への対応に悪戦苦闘している店主たちに次々と遭遇。その間に交わされる会話をサポートしたところ、売上を劇的に伸ばす店舗が続出した。
この状況に連合会は、インバウンドに対する有効手段として、店先で店主と外国人観光客との間に直接入ってやり取りをサポートする通訳サービスの必要性を痛感し、そのサービスを普及させるためのシステムづくりを検討することとなった。

こうして、通訳者と通訳を依頼したい商店をマッチングさせる、函館朝市独自のシステムが考案された。今回実施された通訳OJTボランティア体験会は、その試行である。体験会に参加した高校生・大学生は、朝8時45分に朝市のミーティングスペースに集合。ボランティアの説明をざっと受けた後、腕章やビブスを身に着け、9時から11時45分まで店先に立ち、店主と外国人観光客との会話をフォローする。学生たちは、言語レベルは問われないものの、電子辞書や通訳アプリなども利用して外国人と積極的に触れ合うことが求められた。11時50分再度集合し体験したことを発表。その後、朝市からプレゼントとして配布された商品券500円分を受け取り、会は終了となった。学生たちからは「外国人の方たちとコミュニケーションがとれて楽しかった」「英語だけでなく、中国語やタイ語も必要。勉強したいと思った」「朝市の仕事がわかるようになった。お店の役に少しでも立てたことがうれしかった」という声があがった。

この取組みは、“三方よし”だ。学生たちにとっては、外国人とのコミュニケーション力が向上し、将来の自分の職業選択について考えるいい機会となる。外国人観光客にとっては、値段や商品に対して言葉の壁から生まれる不信感がなくなり、安心して買い物ができる。もちろん商店にとっては、新たな客層の掘り起こしによる直接的な売上アップにつながる。「学生たちが朝市で店主さんに交じって働く経験を増やすことで、将来的には事業承継や新規出店にもつながっていけば」と連合会の松田悌一事務局長はさらなる可能性についても示唆する。

連合会は今後、学生や店主からの感想をもとに、ボランティアをアルバイトの形に転換して継続できないか検討していくとのこと。また、参加者の枠を、過去に外国語を学んだ経験のある主婦や会社を定年した世代などにも広げることで、通訳マッチングシステムの充実を図る予定だ。

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