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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

商店街×小学校×大学が連携し防災イベントを発信 子育て・高齢者支援 安心・安全 情報発信 コミュニティ

東日本大震災をきっかけに、災害時に商店街が果たすべき役割の見直しを図ったモトスミ・オズ通り商店街。緊急時の対応力を強化するため「安心・安全プロジェクト」を推進し、近隣の小学校と大学を巻き込んだ画期的な防災訓練を実施。これまでになかったアイデアで、各方面から注目を集めている。

商店街名 モトスミ・オズ通り商店街振興組合/神奈川県川崎市

’12年から毎年実施されている「まちなか安全教室」。天候に恵まれれば実際に商店街までの道のりを、災害時に倒れそうな柵や塀、電柱の位置などを確認しながら歩く。商店街では道端に倒れている店主を助けるロールプレイも。悪天候の場合は、体育館での学習となるが、商店街についても学ぶ

街中を舞台にした参加型の防災訓練を実施

モトスミ・オズ通り商店街振興組合理事長の中野勝久さん。「安心・安全プロジェクト」に注力する。

東日本大震災の際には、食べ物を無料で配布したり、トイレや電源を開放するなど多くの帰宅困難者をサポートしたモトスミ・オズ通り商店街。同商店街振興組合理事長の中野勝久さんは、「店主たちみんなが自発的に動いてくれたのが心強かったですね」と、当日を振り返る。

この日をきっかけに、同商店街では、災害対策に本腰を入れるようになった。各店舗が災害発生時にできることをポスターで掲示する「一店一安心運動」の展開、商店街の防災に関する取組み情報をまとめた冊子「安全ぶっく」の制作、市民救命士を増やすための救命救急士講習会の開催、各店舗への懐中電灯、ロウソク、ラジオの配布̶̶。これらの活動は、近隣に位置する慶應義塾大学の学生と協力するかたちで進められていった。「大学生と一緒に活動すると、私たちだけでは思い浮かばない斬新なアイデアが出てくる。教育機関との連携は非常に重要だと感じます」

防災・減災にまつわる情報をまとめた『安全ぶっく』。これまでに3冊発行

そのなかでも注目すべき一例が、地元の川崎市立木月小学校と連携して実施している防災訓練「まちなか安全教室」だ。この訓練では、4年生の児童4〜5人のグループに大学生がひとり付き、停電で信号が消えてしまった際の道路の横断の仕方や、道に倒れている人の救助方法、災害時に通学路で特に気をつけなければならないポイントなどを学ぶ。
子どもたちは学校から商店街まで安全を確認しながら歩き、商店街で道端に倒れているけが人に扮した店主たちを見つけて、近くの店に助けを求めるロールプレイを行う。また、店主へのインタビューも行い、商店街が防災・災害対応で担う役割を認識する。
荒天の際の安全教室は小学校の体育館での実施となるが、その場合は店主が学校を訪れ、商店街の取組みついて説明を行う。実践的で有意義な体験学習が実現している、と学校側からの感謝の声は大きい。

「地域密着型の商店街として、地域の人々の安心安全を確保するのは当然のこと。そしてそのための取組みをしっかりと継続していきたい」と中野さん。
通行人と店主とが気軽にあいさつを交わし、端々に地域との絆を深く感じさせるモトスミ・オズ通り商店街。その関係性は、こうした地域活動の積み重ねから生まれている。

  
       「まちなか安全教室」には、慶應義塾大学の学生たちが全面的に協力



一店一安心運動やってます!

「いーはとーぶ」(喫茶店) 安生誠彦さん

「東日本大震災の際は、遠方から商店街を訪れていて帰宅が困難になった女性に、
一晩当店に宿泊してもらいました。
現在でも、商店街のお客様にトイレを自由にご利用いただいています」

「八百文」(青果店) 平野富夫さん

「災害時はトイレに加えて、電源も使っていただけます。先日、3.11のときにスマホを充電していった女の子が7年越しに手土産を持ってお礼に来てくれたのは、涙が出るほど嬉しかったですね」

 



 
★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2018 Autumn(秋号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。
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