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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

観光客を迎える -商店街主導のインバウンド対策で個店も元気に 販売促進 情報発信 個店活性 その他

伏見稲荷大社のお膝元にある地域密着型商店街。大社を訪れる外国人観光客を、彼らはどのように迎えているのだろうか。地元ならではのお店が軒を連ねる商店街だからこそできるインバウンド対策とは。その実例を紹介する。

商店街名 稲荷繁栄会/京都府京都市

外国人観光客が増えた街

昭和26年に設立され、伏見稲荷大社前を通る本町通りを中心に展開する稲荷繁栄会。
この商店街は、伏見稲荷大社が旅行サイト「トリップアドバイザー」の〝外国人に人気の観光スポットランキング〞で3年連続1位に輝いたことで、近年外国人観光客が顕著に増え始めた。

団体客にバックパッカー、レンタル着物に身を包んだ多くの外国人観光客がひっきりなしに通りを歩き、土産物を求めて店に入る。「毎日がお正月のようだ」と店主たちが語るほどの賑いだ。

伏見稲荷大社から続き、本町通りと交差する裏参道

店を訪れる外国人観光客

外国人観光客を迎えるため接客スキルを磨く

商店街は2012年頃、外国人観光客への対応を開始。
まず行ったのは、講師を招いての勉強会。当時は中国人観光客が多かったことから、中国と日本の習慣や文化の違いを学んだうえで、守ってほしいマナーやルールをポップなどで掲示。相互理解を深めながら対策を行っていった。

その後、中国以外の国からの観光客も増えたことで、各店舗の対応力を磨くべく、商売で必要な会話を学ぶ英会話教室を開催。昨年は年3回開かれ、毎回10人前後の店主たちが参加した。同会の集客対策などを担当する大谷茶園の店主・大谷英之さんは、「最近海外からいらっしゃる方は、全国展開のお店よりも、私たちのような地元に根差した店に興味があるようです。その期待に応えられるように外国人観光客への接客スキルを磨く必要があります」と話す。

2014年からはWi‐Fiルーターを商店街内に設置。当初は設置数が10ヶ所だったが、客足の増加に伴い現在では商店街全域と大社内をカバー。日・中・英3ヶ国語対応のポータルサイト「伏見稲荷ヴィレッジ」もオープンさせ、利便性のさらなる向上を図った。商店街が主導する環境整備が各店舗の独自サービスの充実にもつながり、観光客の心を掴んでいる。




地域のニーズへの対応がインバウンドにつながる

愛らしい「伏見〜る人形」

京都伏見の名所・名物を楽しめる「伏見〜るカルタ」

今でこそ多くの外国人観光客でにぎわいを見せている稲荷繁栄会だが、過去に乗り越えてきた荒波は大きい。

約70年前、設立された時には150近くもの店舗があった商店街は、後継者不足などの問題で、20年ほど前には存続の危機に。だが、現会長の久安康雄さんのもと、地域のニーズを掘りおこしながら活性化の取組みを進めるようになり、状況が改善していった。
たとえば、’05年には伏見工業高校(現・京都工学院高校)とオリジナルグッズ「伏見〜る人形」、「伏見〜るカルタ」を共同開発。特に後者の反響は大きく、毎年商店街が主催するカルタ大会は市の協力も得て、地元の小中学生が多数参加。地域とのつながりが増すようになった。




インバウンドの取組みも地域のニーズをしっかりと踏まえた対策。その対策が加入促進にもつながり、商店街は元気を取り戻しつつある。
しかし、まだ問題はある。伏見稲荷駅から大社へと続く裏参道は多くの人通りがあるものの、それ以外の通りには人通りが少ない。裏参道以外の通りに観光客を回遊させることが今後の課題となっている。今後は「客足が少ない場所にも人を集めるために案内所を増やしたり、商店街マップを工夫し、人通りの少ない道を回遊させるように、街歩きを仕掛けていきたい」と大谷さんは展望をのぞかせている。

外国人も気軽に使える案内所も計画中

日・中・英語に対応した商店街マップ

焙煎の香りが観光客を迎える中、展望を語る大谷さん

 








 
 
★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2017 Spring(春号)に掲載されています。
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