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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

商人塾での学びをいかし各エリアでイベント活発化! イベント 地域振興 各種連携 人材育成 コミュニティ

活性化に向けた取組みは、持続的な発展が大切だ。そこで、かつて注目を集めた商店街の取組みが、現在、どう進化を遂げているのかを追跡取材した。

【人材育成】
平成25年度 THE 商人塾!事業 活用
14ある商店会のうち、12が商人塾に参加。全国の先進商店街の事例から八王子中心市街地の方向性を探った

・街のイベント数
2014 26回 ⇒ 2017 50回

商店街名 八王子中心市街地/東京都八王子市

左から、八幡町商店会会長 高倉一郎さん、八王子駅北口商店会会長 清水 栄さん、まちづくり コーディネーター 星見和男さん、八王子駅前 銀座通商栄会青年部 小坂幹登さん

     

14もの商店街からなる八王子市中心市街地。'13年度「THE商人塾!事業」に取り組んで以来、各商店街はゆるやかに結びつきエリア全体を盛り上げてきた。彼らは商人塾で何を学んだのか。まちづくりコーディネーターの星見和男さんと、元塾生3人にお話を聞いた。

人と人がつながり危機感や不安を共有

高倉さん:「まず知り合いになることが大切」

星見 私が八王子にやってきたのは’13年のことです。実は、当時は少し閉鎖的な商店街だなという印象を受けました。そこで、商工会議所の協力のもと商人塾を開催することを提案したんです。ほかの地域の商店街の取組みを知ることで、自分たちに何ができるのか考えるきっかけになればという思いがありました。皆さんは、どうして塾に参加されたんですか?

清水
 八王子中心市街地は広く、商店街同士の横のつながりがほとんどありませんでした。商店会長さんの名前は知っていても、どういう運営をしているのかなど、突っ込んだ話をしたことはまったくなかったんです。そういう人たちと知り合って、一緒に座学ができるということに私は期待がありました。

高倉
 わかります。それまで一緒に何かをやる機会がなかったんですよね。私はほかの商店街のことを知ることで、自分の八幡町商店会の八王子エリアでの立ち位置を知りたいと思って参加しました。

小坂
 私は正直、誘われて、しかたなく参加したんです(笑)。

星見
 実際に参加されてどうでしたか?


小坂
 それが、座学だけでなく、自分でプレゼンをする機会もあっていつの間にか積極的に。なにより、多くの商店街の方と知り合いになって、人と人のつながりの大切さを学んだことが大きいです。

星見
 八王子の商人塾では3カ月の間に6回も塾生が集まる場があったので、横のつながりが自然と生まれましたね。

清水
 そういう場で直接会ってお互いの体験談や悩みを話し合えたのがとても良かったです。私は駐車場を経営しているのでお客さんの動向がよくわかります。駅前の大手百貨店が撤退して以降、商店街に来る人は減っている。今は大丈夫でも今後は? という危機感がずっとありました。

高倉
 そういう危機感や問題意識をみんなで確認し、共有できたのが良かったですね。


商人塾当時の一枚。塾の後に参加者で集まり反省会を行うことで、その学びを根づかせていった

気軽に声をかけ合い「一緒にやろう」が日常化

小坂さん:「意識を共有できた商人塾」

清水さん:「新たな出店者を呼び込む仕掛けを」

星見 商人塾を経て、各々の商店街だけではなく、「オール八王子」で何かやろうという機運が高まりました。商人塾を実施した翌年から、それまで八幡町だけで行っていた「まちゼミ」をオールで行うようになったんです。第1回の参加店舗は40、受講者は200人でした。今もずっと続いていて、’17年3月に行った第7回では、参加店舗は48、受講者は500人とだいぶ増えましたね。

小坂
 すっかり定着しました。私はまちゼミの実行委員を務めていますが、まちゼミをやっていると、街が盛り上がれば人が来る、人が来れば街が盛り上がる、という流れを感じます。その好循環を生むきっかけとして、今後もしっかり続けていきたいです。

清水
 八王子駅北口商店会では、以前から独自にバレンタインイベントを開催していたのですが、参加店舗は4〜5軒でした。でも、商人塾以降、ほかの商店街の方々にも声をかけるようになって、今ではなんと140もの店舗が参加するイベントに成長しています。目に見えないことですが、商人塾で人と人がつながり声をかけやすくなったのは大きいと思います。

高倉
 あの人、どこの人だろう? というのがなくなりましたよね。

小坂
 銀座通商栄会が高尾山の薬王院と協力して開催している「高尾山お見合いパーティー」も、多くの商店街に協賛していただいています。塾を通してつながりができたからこそ声をかけやすくなりました。これまでに20組のカップルが生まれて一組が結婚しています。商店街の買物券も参加者にプレゼントしていますが、結婚後はぜひ八王子に住んでください、というのが企画の主旨です。長い目で見て、八王子に愛着をもって住む人が増えれば。そういう方たちを商店街のみんなで応援していかなければ、と考えています。

高倉
 八幡町商店会の場合、商人塾を通して、駅から一番遠い自分たちは街の外に発信していく商店街ではないと改めて気づかされました。近所の人が日用品を落ち着いて買い物できる商店街になることが理想。だから、うちは外の人を呼び込むイベントには注力していません。そのぶん、住民の方に喜んでいただけるまちゼミへの参加に力を入れています。

星見
 商店街ごとの特徴に合わせた前進の仕方がありますね。

小坂
 銀座通商栄会の場合、大きな通りに挟まれているので駅前なのにあまり人が通りません。今、人の流れを生むために両隣の通りと協力して、ビアロードなどのイベントができないか検討中です。

          多くの企画が同時進行する八王子。元塾生たちは打ち合せなどで頻繁に顔を合わせるようになった。

街を継続させるために間口を広く開ける

星見さん:「人をつなげることで街を継続」

星見 イベントはお客さんを呼ぶだけが目的ではないですよね。

清水 そうですね。北口商店会で協力している古本まつりは、お客さんだけでなく出店者にも街を知ってもらうきっかけになればと思っています。なので、古本以外のブースも設けていて、商店街の人以外でも出店できるようにしています。

星見
 そういう風に、外からの出店者を受け入れるよう間口も広がってきていて、当初の閉鎖的な雰囲気はなくなりましたね。不動産屋さんに協力していただいて実現した、1日3000円で出店できる「はちチャレ」(空き店舗開発事業)もそうですが、ほかの地域からやってきて新たにチャレンジしたい人が八王子の魅力に気づくきっかけになる。

清水 実際、はちチャレを利用した人が、八王子に出店することが最近決まりましたよ。

星見
 いい流れですね。まちづくりは継続させることが大切です。そのために必要なのが後継者。何も自分の息子にだけ固執しなくてもいいはず。イベントをきっかけにして、若い人たちに商店街に興味をもってもらい、その中から後継者が育つこともありなのでは、と思います。
塾を終えて数年経ちますが、今はそれぞれで活動しつつ、エリア全体のネットワークができあがっている。みんなでやろう、という土壌ができているので、私もしっかり後押ししていきたいです。

各商店街の特性をいかしながら、「オール八王子」で盛り上げています!

❶八王子駅前銀座通商栄会 — たくさんのカップルが成立!

お見合いパーティーには将来の八王子住民を増やそうという想いもある

 
❷八王子駅北口商店会 — みんなでやろう!が合言葉

古本まつりは子どもにも人気。多世代や地域内外の交流が進むきっかけにもなっている

❸八幡町商店会 — 地元住民の日常に寄り添う

八王子駅から一番遠くに位置する八幡町商店会。地元のお客様を大事にしようという気持ちから、まちゼミを推進している

八王子エリア全体 — 八王子はまだまだ成長します

発信力強化に創業者支援、コミュニティの場も形成

「ほかの街からすると、八王子はまだ眠っている街なんですよ」と、そのポテンシャルに期待する星見さん。本文中で紹介した「はちチャレ」での創業者支援のほか、コミュニティスペースを新設。また、広報物も洗練させ発信力を強化している。



空き店舗再生PJで生まれたコミュニティスペース「となりわ」。広報誌「らぶはち」やまちゼミのチラシにも注力


 

JR八王子駅と京王八王子駅を中心に、大きく広がる八王子市中心市街地。八王子駅前から国道20号線沿いにかけて14の商店街がにぎわいを見せている




★この商店街は、商店街支援センターの「商人塾支援事業」を活用しています。

事業にご興味のある方は、こちらへ。

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商人塾支援事業



 
この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2017 Autumn(秋号)に掲載されています。
 
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