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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

災害時、研修事業はどうなった? 震災復興 個店活性

全国商店街支援センターが行っているさまざまな商店街支援事業。活性化に向け研修や改善に取り組んでいるその時に、災害が襲ってきた場所があります。
そこでは、どのように苦難を乗り越えていったのでしょうか。現場の想いを追いました。


商店街名 境町商工会 茨城県猿島郡境町

左)フラワープラネット 店主の福島澄江さんと父の柿沼正男さん。「お客様に大切にされるような店作りをしていきたい」。右)割烹ひさし ご主人の久さんと母の久江さん。

CASE 1 境町商工会 茨城県猿島郡境町 繁盛店づくり支援事業 ( 実践コース)

災害 2015年9月 関東・東北豪雨

一カ所に集合するのではなく、各個店が町内に点在している広域型の商店街。加盟店舗数は24店。回遊性の高い商店街をめざしている。名産はさしま茶。

’15年9月9日から11日にかけて発生した豪雨災害。
境町町内では約500世帯の床上・床下浸水があり、71人が一時避難所に身を寄せた。
支援事業に参加中の4店舗中2店および事務局の境町商工会館も被害を受け、研修続行が危ぶまれたが、1カ月遅れで再開しやり遂げた。











フラワープラネット 「浸水被害を前向きに捉えた〝意識の変化〞」

 
「一番大きかったのは〝心構え〞の変化です」

 そう研修の成果を語るのは、生花販売を営む「フラワープラネット」の福島さん親子。
「やれない理由を探さない」「成功するまでやり続けよう」といった講師の言葉を胸に繁盛店づくりに邁進した。そんなマインドの変化が、水害時にもいきた。
「店内全て水浸しになり、以前だったら気力を失っていたかもしれません。でも、この時は〝これを機会にイチから店を作り直そう!〞と思えたのです」

 そうして取り組んだのは、空間の有効活用。
レジ回りの整理や什器の移動、さらに思い切って冷蔵ケースを店内中央に移すことで、混然としていた売り場と作業場の区別が明確になり、動線も向上した。加えて、POPやショーウィンドウを活用したサービスの「見える化」、季節にちなんだ企画など、改善を次々と実現。結果、災害前よりも客数・売上ともに増加した。

 研修事業は、形だけでなく、想いを変える。そして、災害を乗り越える希望にもなったのだ。




左)店内が整理されより目立つようになった手書きPOP。キャッチフレーズを添え購買意欲をそそる。

右)開放感を高め、季節ごとに飾り付けを替えるなど「見える」から「魅せる」ショーウィンドウへ



割烹ひさし 「確かな手応えを胸に出たひと言は〝やります〞」

  
 ふぐ料理を中心とした割烹料理で人気の「割烹ひさし」
講師の「女性にアピールする名物を開発しよう」という助言を受け、色彩豊かな新作を手がけていたその時、水害が襲った。

 同店の被害は甚大で、店内の1.2mの高さまで浸水し、店内設備のほとんどが使用不可に。店自体の未来も危ぶまれる被害であったが、研修継続の意志を問われた店主の並木さんは「やります」と即答したという。
「新メニューに手応えを感じていましたし、地域の皆さんが再オープンに向けサポートしてくれました。研修をやり遂げてその恩に応えたかった」

 被害から2カ月後、海産物や野菜が美しく彩る「元祖・境の土鍋めし」とともに、割烹ひさしは見事にリニューアルオープン。土鍋めしは看板メニューとなり、季節感ある店内装飾や写真を強調した新メニューブックも好評で、再開1カ月後には実に前年比約120%の売上アップを実現。苦難を乗り越え、割烹ひさしは境町の名店としての道を歩もうとしている。




右)鮮やかな色味と凝縮する素材の旨味で、女性や家族連れなど新しい客層を獲得した「元祖・境の土鍋めし」。左)土鍋めしはお土産用も開発され、近くの道の駅では完売することも。取っ手の付いたパッケージも好評




 





★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2016 Autumn(秋号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。
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