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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

イベントを軸に、ベテランと若手の共同で次世代チームを育む イベント 地域資源 地域振興 各種連携 情報発信 コミュニティ

イベントをきっかけに商店街に新たな交流が生まれ、ベテランと若手がひとつに。ピンチをチャンスに変えていく。

商店街名 南砺市商工会 福光支部(富山県南砺市)

商店街に人を呼び込む 柔軟な〝仕掛け〟づくり

JR城端線、福光駅の西側、4つの商店街が東西に、3つ商店街が南北に走る。板画家・棟方志功ゆかりの名所も点在

JR福光駅の西側に広がる7つの商店街は、数々のイベントを打ち出しては集客力アップを図ってきた。'13年には協同組合福光商業会の創立50周年記念として「2932(ふくみつ)街中リレーマラソン」を開催。大反響を呼ぶ。発起人の福光商業会理事長 野原健一さんは「『商店街の集客につながらない』という意見もありましたが、他地域を研究するなど入念に準備しました」と当時を振り返る。

開催してみると「社内の団結力が上がった」と毎回参加を表明する地元企業や、「一所懸命、商店街を疾走するランナーに元気をもらえた」という年配の方たちの声が多く寄せられ、商店街に新たな交流が生まれた。翌月開催の「福光まちなか文化祭」も「空き店舗を活かしたカフェで、和菓子を提供しました」(高野清信さん)などのグルメあり、体験教室あり、五感に響く催しで地域全体がにぎわった。

「こうした商店街の取組みを目の当たりにして、Uターンして起業した人もいます」と南砺市商工会青年部副部長で福光支部長の嶋潤之介さん。現在の青年部はUターン者が多く、「私も3年ほど東京にいたこともありますが、今は家業のバット工場の魅力を再認識中です」(水内康晴さん)。「ネットで買える時代だからこそ、商店街やイベントでの地域交流が大切だと実感しています」(池田寛之さん)と青年部スタッフは熱く語る。

これに対しベテラン勢も「若者の意見を積極的に取り入れていきたい」(久恵龍三さん)、「世代間の意見交換が円滑。何げない会話から新企画が生まれたことも」(野村守さん)と期待を寄せる。

だが、全国の商店街が抱える問題は福光も例外ではなく、'15年には大型店の出店ラッシュ、北陸新幹線の開通と環境が激変。それでも「ピンチはチャンス。車や新幹線を利用した地域外の集客も狙えます」と南砺市商工会福光支部支部長の川合声一さんは前向きだ。その意気込みを受け、一同も前進あるのみの活動を始めようとしている。

地域資源を活かし、逆風を順風に変えていく。その新機軸として、次世代リーダーの育成などを目的に'15年秋から「商人塾支援事業」を実施。次なるビジョンに向け、新しく動き始めた商店街である。

 

☆ここに注目☆ 「買い物」で子育ても商店街も活性化。 「レシート de サポート」

南砺市商工会が’11年9月から実施している子育て支援「レシート de サポート」の仕組みが面白い。これは、市内約270の協力店(’15年8月現在)で買い物をすると、1万8000円未満のレシートなら1円、1万8000円以上なら100円として換算され、その金額で地域の子育て支援団体をサポートできるというもの。これに福光支部も賛同し、協力店は90店舗を超える。

具体的な仕組みは、レシートと一緒に1円または100円の「子育て支援券」がレジで手渡され、その券に支援したい子育て支援団体の名前を記入し、店内に設置されているレシートボックスに投函。登録されている79団体の中から、買い物客が団体名を支援券に記入し、未記入の場合は各団体に按分される。集計は南砺市商工会が行い、支援金は同会が発券する「なんと共通商品券」で送られる。

買い物をするだけで誰もが気軽に子育て支援できる手軽さと、地元の商店で買い物をする機会が増えることで、商店街の活性化も同時に図れる。結果的に地域のコミュニティをより充実かつ円滑にする効果を発揮する。

この事業を発案したのは協同組合福光商業会で、同会が新事業として’10年に始めたものを南砺市商工会が採用。南砺市全域の事業として拡大させたという経緯がある。福光商業会はこれまでも「レシート de サポート」を含め、多彩なイベント事業を数々打ち出しており、地域コミュニティの振興へ尽力してきた。それが’14年11月、全国中小企業団体中央会記念式典で高く評価され、中小企業庁長官賞を受賞するに至る。

「レシート de サポート」は南砺市商工会の事業の一環として現在も継続中で、’15年2〜7月分の集計では、支援金額は28万5000円に上る。地元の子育ても、商店街も活気づく新しい「買い物」の仕組みが、ここにある。


 

 

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