全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート
「繁盛店づくり」を契機に「魚沼職人大學」設立。まちなかに人を呼び込む
若手が中心となり魚沼職人大學を設立。商店街をキャンパスに見立て、店主やスタッフが教授となる。子育て世代をターゲットに活性化へと取り組んでいく。
商店街名 | 小出商店街組合連合会(新潟県魚沼市) |
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繁盛店づくりの事業が若手の意識を変えた

新潟県魚沼市の小出商店街組合連合会は加盟店舗数135。4 つの商店街組合で構成された近隣型商店街
魚沼市の小出駅より魚野川を挟んで広がる小出商店街組合連合会。空き店舗の増加や後継者不足といった課題解決のため、今、若手が立ち上がり、「魚沼職人大學」を設立。まちなかに人を呼び込んでいる。これは、商店街をキャンパスに見立て店主やスタッフが「教授」になり、専門知識や職人技の研究や実践を行い、お客様や他店舗に伝える取組みである。
'14年、個店の魅力向上と商店街のにぎわい創出を目的に、支援センターの「繁盛店づくり支援事業」に取り組み、ディスプレイやPOP、店内レイアウトの改善などを学んだ。たとえば文具店の若松屋商店は季節に合わせたディスプレイを実施、菓子店の甘泉堂は店内にベンチを置き交流の機会を増やした。このように工夫を重ねた結果、参加店の客数は約143%、売上は約128%と、前年度に比べて成果があがった。小出商店街組合連合会の杵渕豊さんは、“店が変わったね”というお客様の反応に、手応えを得ている。
この事業で集まった店主たちが意見交換するなかで「今後の活動につなげたい」と設立したのが「魚沼職人大學」である。


子育て世代をターゲットに眠っていた資源を有効活用

この大学で「教授会」と称した毎月の会合は、商店街活性化の具体的なアイデアを企画し運営する場である。杵渕さんは「やりたいことがどんどん出てくる。まだ始まったばかりだが、いろいろ試してみたい」と意欲的だ。
交流ある商店街づくりを目標に、若き担い手たちはターゲットを自分たちと同じ子育て世代に定めた。活性化のポイントは「街歩き」を楽しめる工夫である。
まずは、街の魅力を再発見するためのマップをつくり、季節の行事に合わせて創意工夫のある店頭ディスプレイを複数の店舗で展開し始めた。こどもの日には、アーケード下に鯉のぼりを飾ることを決定。市の協力を仰ぎホームページで譲渡の呼びかけをしたところ、資金をかけずに約50旒(りゅう)が集まった。
「各店舗の繁忙期をつなげば活気は増すはず」と杵渕さん。将来は近隣地域の商店街とも協力し合いながら、地域の人の輪をもっと広げたいと考えている。

アーケードを泳いだ鯉のぼり
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「そうだ!オラフをつくろう」、思えば第一回目の「教授会」ではそんな話で盛り上がった。そして、「魚沼職人大学」としての初のイベントは“オラフ”の展示となった。小出商店街の店主たちが思い思いの雪だるまをつくり、店の前にディスプレイ。なにしろ冬には雪がそこらじゅうにある土地柄で、お金もかからない。二代目店主を中心に、ワイワイ楽しみながら形にしていったこの取組みは、地域の子どもたちとお母さんに大人気だった。